ベガスへ。勝負資金はいとこのカンパ、期待を背負って女二人
親友と女二人でラスベガスに行った。
ただ、ベガスで遊ぶようなお金も持ってないのに、なぜ行こうと思ったのかは謎。出発前、親友のいとこたちが集まるパーティーに招待してくれた。親友が「私たち、これから二人でラスベガス行くの」と宣言したら、なぜかいとこたちが「じゃあ、あなたたちにベットするわ」と、次々にカンパしてくれた。
ちょっとびっくりしたけど、ありがたく頂戴して、いざベガスへ。人様のカネで豪遊?ギャンブル?って…いや、これはもう”私たちに賭けてくれた応援”ってことで(笑)。
カオスだった、出発前のいとこ宅のパーティー
パーティー会場は、親友のいとこの家。小高い場所に建つ広いお宅で、リビングの大きな窓からは遠くまで見渡せた。ゴルフ場のヤードみたいに芝がきれいに刈り込まれた庭には、なだらかな起伏まである。ほんとにゴルフができそう。また行ってみたい。
親友は7か国語を話す。英語、日本語、フランス語、ドイツ語、アラビア語、ヘブライ語…あとはイタリア語だったかスペイン語だったか、忘れたけど。
彼女はいとこがやたら多くて、国際結婚のオンパレードの一族。そのパートナーまで集まってたから、家の中はちょっとした多国籍サミット状態。みんなして一斉に違う言葉でしゃべるので、頼りは彼女の通訳だけ。
私は、ぎこちないけどまあまあ英語でコミュニケーションが取れる。でも、その場にいた他の日本人は英語が話せない人ばかりで、親友はあっちでもこっちでも通訳で大忙し。いったい何か国語が飛び交ってたんだろう。
しかもテキーラの酔いも回って、もう完全カオス状態。そのテキーラ、自家製のリュウゼツランの果肉入り…って聞いたんだけど、テキーラとは呼べない「生リュウゼツラン漬けの特製スピリッツ」ということらしい(←後から知った)。
極めつけは、わけがわからなくなった彼女が、パーティーに参加していた別の日本人の日本語を、なぜか私に日本語で訳してきたこと(笑)。いやいやそれ、もともとわかっとるわい!
そうそう、パーティー帰りの車の中も忘れられない。運転手は親友の弟くん、助手席にはベロベロの親友。その彼女がいきなり後ろを向いて、私の小指をガブッ。しかも離さない(笑)。「いてて、離してー!」って言っても、もう手が付けられない酔いっぷり。後日、弟くんが「あなたには甘えちゃうんだよ。ごめんね、許してね」って、本人でもないのに一生懸命に謝ってくれた。普段は人前で気丈にしてる子だから、私の前ではちょっと気がゆるんだのかな。痛かったけど、まあ、いい思い出かな。
ちなみに私はこの日、なぜか和食を作るはめに。材料に高野豆腐があったから、高野豆腐の煮物を。多国籍パーティーに、地味すぎる一品で参戦した。
でも、みんなの感想は「すごい!」「なにこれ!」「ちょっとスポンジみたい」「おいしい!」となかなかの高評価。カチカチの高野豆腐が、お湯で戻すと、出汁と醤油とみりんで柔らかい煮物になる。そりゃびっくりするよね、誰も作り方を知らなそうだもんね。
そもそも私にしてみれば、なんで高野豆腐があるの? なんでみりんがあるのよ? って感じだったけど(笑)。
飛行機の後ろ座席は、こわもてマッチョ二人組だった
ベガス行きの飛行機。私たちの後ろの席には、太い腕にタトゥーを入れた、ゴリゴリのマッチョな男性二人が座っていた。正直、ちょっとこわい。最初は居心地が悪かった。
でも、なんだか様子がおかしい。狭い座席に窮屈そうにしながら、妙に嬉しそうにぴったり寄り添ってる。きゃぴきゃぴして、時折「うふん」とか「やーん」とか乙女の声が聞こえてくる。ちょー楽しそう。
そう、イチャイチャが止まらないんです。私と親友は顔を見合わせて、「あ、そういうことね」と笑った。お二人さん、楽しそうでなによりでした。
そしてなにげに飛行機の窓の外。砂漠のど真ん中に、突然ラスベガスの街が現れた。「え? こんな砂漠の中に? 突然?」って、二人して目を丸くした。
いざカジノへ。ルーレットは高すぎて、ひたすらスロット
ベガスといえば、ルーレットにブラックジャック…の華やかなイメージ。でも私たちの軍資金は、親友のいとこたちの善意でできた虎の子。
1回のレートが高い台になんて、とても座れない。映画みたいにチップを山と積む光景は横目に、私たちはもっぱらスロット専門。ちっとも豪遊じゃなかった(笑)
コインを入れて、ジャラ…たまにチャリン。庶民には庶民の戦い方があるんです。
でもね、びっくりしたんだけど、彼女、ギャンブルセンスがあるんですよ。スロットが結構うまくて笑った。一方の私はセンス皆無なので、申し訳ないくらいメダルが無くなっていく。
ほんとは一山当てて、彼女のいとこたちにお土産でも買いたかったんだけどね。
ビールを我慢してたら、お酒が全部タダだった
軍資金はいとこたちのカンパ。だから私たち、1ドルだって無駄にできない。てか、そもそもカジノなんだから、無駄にするとかしないとかよくわかんないけど(笑)。ビールの一杯すら「もったいない」と我慢して、ひたすらスロットと向き合っていた。
そこへ、バニーガールのお姉さんが飲み物を銀のトレイに載せて運んで回ってくる。「へぇー、本当にバニーガールの恰好なんだ!」 「お姉さん、かわいい! 」←オヤジかっ! 「ビール、いいなぁ。飲みたいなぁ」と何度もチラ見。
すると、隣でスロットをガンガン当ててたおじさんが一言。「飲み物、タダだよ」。
…タダ? 親友と顔を見合わせて、にんまり。次の瞬間には二人で声をそろえて、「へい、ビール頂戴!」ってハモってた(笑)。
我慢してた時間を取り戻すように、そこからはジャンジャン。出たのはスロットじゃなくて、ビールのオーダー(笑)。たぶんあの夜、スロットの稼ぎよりお酒のほうが元を取ってた。でも、確か、ティップは払ってた気がする。
現実か夢か。イリュージョンのショーで大盛り上がり
すっからかんになったけど、ビールやカクテルを好きなだけ飲んで、気づけば夜は明けてた。カジノだけじゃもったいないので、街もしっかり堪能した。さすが、眠らない街、ベガス。
エジプトの展示物が並ぶホテル、ルクソール。ピラミッド型の建物の前で、観光客まる出しで写真を撮りまくった。二人してはしゃぎっぱなし。モノレールが走る街の中を、うろ覚えのホテルまで歩く道のりも本当に楽しかった。
劇場でイリュージョンのショーも観た。突然、目の前にスポーツカーが現れる。種も仕掛けもわからないまま、ただただ「おおー!」と声をあげる。私は今、ラスベガスでイリュージョンのショーを観てる。現実なのか? 夢なのか? これこそイリュージョンなのか(笑)。
そんな非日常が楽しかった〜。帰ってきてからも親友と、しばらくの間「イリュージョン」が流行ってた。お互いに訳もなく、ふとした合間にこの言葉を入れて笑う。JKかよ。(笑)
あんなにはしゃいだのに、写真が残ってない
ところが、あの旅の写真、一枚も残ってないんです。
まだ自分のPCを持ってなかった頃。デジカメで撮ってた気がする。PCに保存できないまま、どこかで紛失して、そのまま行方不明になってしまったのかも。
ルクソールの前ではしゃいで撮った写真の構図も、にんまり乾杯した瞬間も、残ってるのは記憶だけ。
あの写真はどこに行っちゃったのかな〜。
