期待してはいけなかった、ボスの手料理
冬のモンタナ出張で、本社のボスの手料理を振る舞ってもらったときのことです。日本から行ったのは、私と同僚2人、それに日本事務所のボスの4人。初めてのモンタナ、初めての現地の会社で、私はずっと緊張していました。
ボスからの嬉しいお誘い
「せっかく日本から来てくれたから、今日は私の手料理を御馳走するよ」とニコニコしながらボスが言いました。ほんのちょっとだけ期待?してしまった私たち。いやいや、ほんのちょっとね(笑)そして、それが後で愕然とすることに。
スーパーへ買い出し…嫌な予感
笑顔のボスは「さあ、まずは買い出しだね」と、得意そうに言いました。スーパーに着くと、野菜や肉などには目もくれず一目散に大きな冷蔵庫ブースに。ちょっと嫌な予感がしないこともなかったけど、のちにそれは確信に変わりました。
恐ろしいほどの大きなビニール袋入りのミンチの塊をカートに乗せると、またもや、一目散に自宅へ。袋にそのままぎっしり詰まった大量のミンチなんて、初めて見ました(笑)。ボスは早速、腕まくりをして、クッキングの開始です。
ボスの家はかなり広かったのですが、全部を見せてもらったわけではないし、緊張していたせいか、あまり覚えてなくて。覚えているのは、このあとの手料理のことばかり。あれが強烈すぎて、ほかの記憶が飛んだのかもしれません(笑)
ボス渾身のクッキング開始!
ビニール袋からパテの元?を出し、ハンバーグのように丸めて”ぺっぺっぺ”と平たくしてオーブンで大量に焼き始めました。
ストックしてあるらしい、これまた大量の袋入りのバンズに乗せて、ケチャップのような?それともグレービーソースのような?よくわからない大きな缶(瓶だったかも)のソースをどっさりかけて、手際よくハンバーガーを作ってくれました。かなり慣れてるっぽいです(笑)多分、来客へのもてなし手料理なのでしょう(汗)
いざ実食!果たしてお味は…
「どうだい!私の手料理は」「最高だろう?」「さあ、どんどん食べてくれ」とにんまりするボス。
正直、私の口には合わなかったです(涙)スーパーのでっかいビニール袋に入ったミンチに、でっかい袋入りのバンズ。出来合いのソースですもん。それでも好きな人には美味しいかもですが。
でも、口から出てくるのは「Good!」だけ。私たちは顔を見合わせて、日本人の困ったときの謎の微笑みでやり過ごすことに。
これがボス渾身の手料理でした(泣)
帰りの車で、まさかのボスの告白
帰りの車の中は、「いやー、参ったね」「ボスの手料理があれだとはねぇ……」と盛り上がったのですが、そこで日本事務所のボスがひとこと。
「前回来たときは、僕が天ぷらを作ったんだよ」。まあ、そこまではいいよ、うんうん。
「それと実はさ、あのボスの手料理(と言い張ってる)ハンバーガー、前にも食べさせられたんだよ。まさか今回もとは思わなかったよ」。
……なにぃ~!なんで黙ってたんだよう。
タコスと「like a bird」
別の日には、いつもメールでやりとりしていた現地の女性が、ランチに連れて行ってくれました。名前は……キャン何とかさんだった気がするのですが、どうしても出てこないので、ここではナンシーさんにしておきます。
食べたのはタコス。これが、とにかく量が多い。これは美味しかったけど、ちょっと食べたら、もうお腹いっぱいです。手が止まった私を見て、ナンシーさんが「もう食べないの?」「like a bird!(小鳥みたい)」。
「eat like a bird」は、「少ししか食べない人」のことを言う英語の言い回しです。アメリカの量に負けた日本人、小鳥にされました(笑)
アメリカのレストランでは、食べきれない分を持ち帰るのはふつうのこと。「Can I get a to-go box?(持ち帰り用の箱をもらえますか?)」と頼めば大丈夫です。当時の私に教えてあげたい。
同じ出張で体験した、雪と暗闇の話はこちら → モンタナの雪と暗闇のミステリーツアー
